雪国の文化が根付く土地

魚沼は新潟県南東部に位置する、周囲を山に囲まれた盆地です。
冬には積雪3mを超える豪雪地域ですが、豊富な雪が良質な水を生み、大地を潤し、日本一の魚沼産コシヒカリを始めとする雪国独特の食文化を育んできました。
昔ながらの知恵を活かし、四季の喜びを感じながら自然と寄り添う暮らしを、今も大切に受け継いでいる地域です。

豪雪を活かす暮らしの知恵

8,000年以上前に作られた「縄文式火焔型土器」が至るところから出てくる地、魚沼。
太古の昔から現在まで生活の営みが続く珍しい場所ですが、なぜそんな昔から人々は住んでいたのでしょうか?
それは、積雪3mにもなるこの雪を上手に利用し、味方に付けていたからに他なりません。
雪国は狩人にとってとても条件の良い場所です。
雪上に残された動物の足跡は動物の大きさや種類、進行方向などがわかる重要な手がかりになり、白銀の世界では隠れるところが少なく獲物をしとめやすいのです。
また、残雪の多い春は薪を切り出す最高の時期。葉がないため木の水分が少なく、乾かす時間が少なくてすみます。
長い年月をかけて培われた豪雪を活かした暮らしの知恵で、魚沼独自の生活文化が育まれてきたのです。

雪国の知恵

雪国ならではの食べ物

厳しい冬を乗り越えるために、長期保存ができる発酵食品の文化が発達してきた雪国魚沼。発酵を促す菌の一種で米から作った「麹」は、米を日本酒、大豆をみそにするなど美味しい食べ物へと変化させます。

お米も野菜もお酒も雪中貯蔵

雪の中は絶対に0度より下がりません。この凍りそうで凍らない環境に食べ物を置くと、でんぷんが糖に変わりとても甘くなります。

井戸水を活用

井戸水は一年中約15度。夏は冷たく、冬は温かいので、この水を道路に出すことで積雪時も人も車も通ることが可能になりました。

雪に負けない住まい

住宅の屋根や車に積もる雪は大敵。屋根の角度を急にすることで雪を自然に落とし、床下を車庫にすることで、丈夫な車庫を作らなくても車への積雪を防ぐことが可能になりました。時代に合わせて雪国の知恵は発達しています。

魚沼はなぜ
お米の聖地と呼ばれている?

1豪雪がもたらす良質な水

山々に降り積もった大量の雪は、ミネラルを豊富に含んだ雪解け水となって水田を潤します。夏には冷たく澄んだ水が土壌の温度上昇を抑え、稲の根に活力を与え健やかな成長を促します。

2山間地特有の気候条件

1,000mを超す山に囲まれた魚沼では、気温が日中はとても高くなり、米の旨味の重要なもととなるでんぷんがたくさん生成され、ぐっと気温が下がる夜はでんぷんを蓄えた状態に保ちます。この山間部の気候がおいしいお米を育みます。

3「量より質」に適切な土壌

魚沼は平地・平野部の水田と比べ、やや痩せた土壌です。しかしこの土壌こそが、稲が大きく倒れやすいコシヒカリを、食味の良い丈夫なお米に育て上げます。特に魚沼の中でも寒暖差が大きく上流の雪解け水が注ぎ込む魚沼農耕舎の山間部の環境が、良質な米を栽培する基になっています。