本物の魚沼産コシヒカリは玄米で1.9mm以上です。
2020年1月30日、日本経済新聞の朝刊に業務用米についてのショッキングな記事が出ていました。
誤解を恐れず大胆に要約すると、業務用の「安いコメ」が足りないので、コメ卸最大手と第二位が、中米(ちゅうまい)※を選別し、外食や中食などの業務用主食用米に混ぜ、販売をすることに力をいれていく。というものでした。
「安い原料は『ふるいの下」にしかない」とのコメントもあり、魚沼産コシヒカリの生産農家としては、心が痛む記事です。
日経新聞のサイトはこちらから
この記事で、「中米」「ふるいの下」という表現がわかりにくいと思いますので、説明いたしますね。
中米ってなあに?
中米というのは、魚沼産コシヒカリに例えて言いますと、おコメの厚みが1.9mm以下で、1.7mm以上のお米のことです。
おコメには国が定めた主食用米の規格があり、厚みが1.7mm以上というのがそれにあたります。また、産地ごとに食味向上のためのブランド規格が定められていて、1.8mm~2.0mmというのが多いようです。
お米は収穫した後、乾燥させて保存できるようにするのですが、乾燥させた後、魚沼産コシヒカリであれば、玄米の状態で1.9mmのふるいにかけ、ふるいに残ったものだけを魚沼産コシヒカリとして出荷、販売しています。
ちなみに、新潟県のコシヒカリは、1.85mm以上になっています。
なぜ、魚沼産は1.9mm以上なのでしょうか。
それには、私たち魚沼産コシヒカリの生産者や関係者にとって、思い出したくないある出来事が関係していました。
魚沼産コシヒカリの28年連続特Aからのまさかの転落
このことをきっかけに、もう一度、魚沼産としてのブランド力を向上させるべく、魚沼米を生産するJA・市町や地元コメ卸等で構成された「魚沼米改良協会」の総会で「魚沼米憲章」が改定され、
玄米の粒厚は厚いほうが食味が良くなるため、「調製には1.90mm以上の篩い目を使う」こと。
それ以前は、努力目標で一部の地域は1.85mm以上で販売していましたが、これ以後、1.9mm以上で統一されることになりました。
ということで、魚沼産コシヒカリの場合、1.9mm以下で1.7mm以上の厚みのお米は中米ということになります。
ふるいの下って?
これまでの説明で、なんとなくわかった方もいらっしゃるかもしれませんが、ふるいの上のお米が魚沼産として販売されているとすると、中米はふるいの下の一部ということになります。
業務用の主食用米には安いものが求められているとはいえ、農家の立場から言わせていただきますと、みなさまには、混ぜられていない「ふるいの上」のお米を買っていただきたいと切に願います。
「魚沼米憲章」にもありますが、米粒の厚みが厚いほうが食味がよくなるとのこと。
1.9mm以上の魚沼産コシヒカリを、ぜひ、食べてみていただければ、と思います。