農耕舎通信

魚沼産コシヒカリの選び方 いまさら聞けない特別栽培米とは?

魚沼産コシヒカリの特別栽培米って特別に美味しいお米なの?

色々種類があるけど、どの魚沼産コシヒカリを選べばいいの?どういう違い?というお問合せをよくいただきます。

魚沼産コシヒカリを通販で買おうと思ってみていたら、特別栽培米という言葉を目にして、何だか特別だからおいしそうな気がするけど、いったい何が特別なの?というような疑問です。

私たち生産者は当たり前のように、つかっている言葉ですが、特別栽培というのは、あまりみなさんご存知ないように感じます。

そこで、特別栽培米とは何か、お伝えしますね。

この記事を読めば、漠然と価格だけで選んでいた魚沼産コシヒカリをご自身に合わせて自信を持って選べるようになります。

この記事で得られるもの

私たち一般財団法人魚沼農耕舎は、魚沼の中山間地で自ら魚沼産コシヒカリを栽培している、四半世紀の歴史を持つ組織です。自然が豊かな魚沼とコシヒカリが大好きな職員たちが、特別栽培や有機栽培のお米やそばを作って、自分たちが作ったものを直接お客様にお届けしています。

そんな私たち農家が、農家にとっては当たり前の事のようだけれど、世の中ではあまり知られていない特別栽培米の何が特別なのか、他の栽培方法とどこが違うのか、魚沼農耕舎のデータを基にお伝えすることによって、消費者のみなさまが魚沼産コシヒカリを価格だけでなく、「賢い選び方」が出来るようにお手伝いさせていただきます。

この記事では以下の内容をお伝えしています。

1、そもそも特別栽培米とは?

2、どんな栽培方法なの?

3、認証方法は?

4、特徴は?

5、どんな人におすすめ?

6、まとめ

1、そもそも特別栽培米とは?

そもそも特別栽培米とは何でしょうか?

私はお客様に説明するときは、簡単にわかりやすいように、特別栽培米は農薬と化学肥料の使用を50%以上減らして栽培したお米です。と説明しておりますが、正式に言うと、特別栽培農産物のお米ということになります。どういうものが特別農産物なのかというと、

農林水産省のガイドラインを引用すると次の通りです。

特別栽培農産物

その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。

特別栽培農産物について

(農林水産省サイトより)

 

 

 

 

各地で慣行的に行われているというのがちょっとわかりにくいですが、簡単に言うと、もともとその地域で行われていた栽培での農薬や化学肥料の使用量を50%以上減らして栽培することです。農薬も全てがそれに当てはまるわけではなく、あくまでも節減対象の化学合成農薬の使用回数、そして、化学肥料に関しては、チッソ成分を減らすというものです。

各地域の慣行栽培基準は地方公共団体が定めており、私たち新潟県北魚沼地域は表にしてみると、以下のようになります。

新潟県北魚沼地域 慣行栽培 特別栽培農産物
節減対象農薬(成分回数) 19回 9回
化学肥料チッソ成分 6.5kg/10a 3.2kg/10a

慣行栽培の農薬が19回!ということで驚かないでくださいね。成分数で数えますので、その農薬に含まれる節減対象の成分数が3であれば、一つの農薬を散布しただけで、3回ということになります。ただ、その農薬を2回散布すると、合計6回ということになります。

慣行栽培が農薬を19回も散布しているわけではありませんので、ご安心ください。

2、どんな栽培方法なの?

農家さんによって異なるところもあるかと思いますが、魚沼農耕舎では、特別栽培農産物を栽培する圃場に対して節減対象農薬の散布回数を減らし、肥料に関しては50%以上有機成分が入ったものを使うことで、基準内に収まるように栽培します。

3、認証方法は?

地方公共団体の認証制度ですので、私たちは新潟県の認証を受けています。

どの圃場で、特別農産物を栽培するかどんな栽培管理をするのか、どんな農薬をいつ散布し、肥料もどれくらい散布するかの計画をして、どのくらい穫れる予定で、どのくらいどんな対象に販売予定なのかという様々な書類を提出する申請をして、だれが見てもわかるような看板を圃場に立てます。栽培途中の県による現地確認、収穫前に管理状況報告を提出して、お墨付きを得て初めて、その年のお米に新潟県認証特別農産物のシールを貼って、販売することが可能になります。

栽培履歴にかんしては独自のWEBもしくは新潟県のホームぺージで見ることが出来るようになっています。

また、販売後もお米がなくなった時か、1年後のどちらか早い時期に実績報告書を提出することになっており、それぞれに県の担当者さんから細かくチェックが入ります。

4、お米の特徴は?

特別栽培農産物の特徴は、農薬の散布回数が少ないですので、カメムシなどの被害粒が若干多くなることがあります。肥料に関しては、有機成分が50%以上多いものを使っているせいか、JA北魚沼米品質基準システムによる、私たち魚沼農耕舎の特別栽培農産物の食味品質評価票のデータによると、慣行栽培よりも3ポイントほど、食味値が高いです。このシステムによる評価ですと、2番目に評価が高いSAという食味格付けをもらっています。

ただ、栽培管理上でもっと肥料をあげたいときでも、基準値が決まっていますので、それ以上は散布できず、その分、お米のとれる量が慣行栽培よりも落ちることが多いように思います。

カメムシの被害については、私たち魚沼農耕舎では、玄米が出来上がる前に一度色彩選別機といって、被害粒や色のついたお米を飛ばしてくれる機械にかけ、更に精米時にも同様の機械をとおして、被害粒をとばします。そして、精米の時には精米担当者がしっかり目視もして、きちんと被害を受けたお米がなくなっているか確認しています。

5、どんな人におすすめ?

・農薬や化学肥料は少ない方が安心できるという方

・お子様をお持ちの方

・ちょっと食味がいいお米が食べたい方

・ギフトだから、公の機関が認証したお墨付きのものを贈りたい方

におすすめです。

6、まとめ

如何でしたでしょうか。

簡単にまとめると、特別農産物のお米の事を特別栽培米と呼んでいること。

節減対象の農薬の成分回数と化学肥料においてはチッソ成分で50%以上減少させて、栽培すること。

地方公共団体の認証をえて、初めてお墨付きのシールを貼って販売できること。

 

少しでも、消費者の皆さまが、魚沼産コシヒカリを価格だけでなく、中身も吟味したうえでご購入いただけるようになることを願っています。

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