農耕舎通信

魚沼農耕舎の魚沼産コシヒカリ【米作りは八十八手 今の作業を伝えます。】その1

魚沼産コシヒカリ 米作りは稲刈り後に始まる!

【魚沼農耕舎の米作りは八十八手 その1】秋ぶち編

秋ぶちってなあに?

秋ぶちとは、秋耕のこと。秋に耕起することです。

耕すことを、魚沼の方言で「ぶつ」または「打つ」といいます。秋にぶつから秋ぶちです。

つまり、稲刈りの終わった田んぼで、乗用トラクターを使って、田んぼを耕すことです。

秋ぶちってどうやるの?

これは、どんな作業かというと、田んぼを耕しながら、土の中に稲刈りの終わったワラをすき込んでいく作業です。すき込むとは、土の中に混ぜ込むことです。もう少し別な見方をすると、土の中にいる色々な菌とワラを和えているといった感じでしょうか。

秋ぶちってなんでやるの?

こうすることによって、ワラや株が早く分解されるようになります。早く分解させるには、空気中の酸素が必要ですので、春に耕すのと違い、浅~く、ギリギリ株が起こせる深さで行います。そうすることによって、分解する菌が活動しやすくなります。分解がしっかり進むと、肥料としての効果が大いに期待できます。ワラに必要な栄養は色々あるけど、特にケイ酸。ケイ酸をしっかり吸っているとがっちりとした丈夫なイネになります。来年のワラが、もしかしたら今年のワラの栄養でできているかもと思うと面白いですよね。

また、分解が進んだワラは、春作業の邪魔をしません。田植えの時に、去年のワラが田んぼの表面に浮き上がってしまったせいで、上手に植えられないだけでなく、欠株になってしまいます。欠株とは、本来植えていなければいけないところに株が無いことです。株が無いので、そこに稲は育ちません。収穫の秋を迎えても刈る稲が無いのは困りますよね。

秋ぶちっていつやるの?

そして早く分解させるには、温度も大事。菌が活発に活動できるようできるだけ早い時期に耕します。目標としては、10月中旬まで。目標は高くです!

早く作業を進めるためには、稲刈りと並行して作業を進めなければなりません。朝つゆが多く稲刈りがまだできない時間などを使ったり、作業の合間を縫ったりして行うため、段取りがいいと、早く進みます。また、機械の不調などアクシデントが続くとどうしても後回しになってしまうので遅れてしまいますので、もしかしたら、一つの目安になるかも。

ちなみに今年はどうだったかというと、残念ながら田んぼが柔らかくて稲刈りに時間を取られてしまったせいで遅くなってしまいました。こういった田んぼの中は、コンバインで通った深~いわだちがたくさん残ってしまいます。秋ぶちには、この深~いわだちを平らするという役割もあります。このわだちを消さずに春を迎えると、そりゃあ大変な作業になります。わだちの上部は硬い。下は水が溜まってやわらか。そんなところ、真っすぐ走れません。平らに耕すこともできません。平らに耕せなかったところは、平らに代掻きができません。そういった田んぼは、田植えが終わった後の水管理でとっても苦労します。きっと、たくさんの雑草が生えてくることでしょう。

まとめ

稲刈りが終わったら、すぐ秋ぶち。

ひと息つく暇はありません。

すぐに来年のお米作りが始まるのです。

来年の魚沼産コシヒカリのイネが丈夫に育つように。来年の魚沼産コシヒカリがおいしくなるように。

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